ブログ

茨城のラーメン屋と学ぶラーメンの歴史 わかりやすく解説します!

2023.05.02

こんにちは! 茨城県稲敷郡阿見町で営業中のラーメン店「麺屋黒源」です。

今日は、ラーメン好きなら知っておきたいラーメンの歴史について、できるだけわかりやすく解説したいと思います!

■この記事を読むとわかること■
・ラーメンが中国から日本に伝わった歴史
・ラーメンが日本に根づいたきっかけとなったお店
・インスタントラーメンの歴史

歴史を知ると、いつものラーメンもこれまで以上に美味しく感じるかも!?

楽しく学んでいきましょう♪

小麦粉の歴史

ラーメンの歴史を紐解くと、まずは麺の材料である小麦粉の歴史を考える必要があります。

小麦粉といえば、ラーメンやパンなどいろんな料理の材料になるとっても大事な食材!

小麦が栽培されるようになったのは、いまから一万年ほど前のメソポタミア(今の中東)だと言われています。

すごく歴史がある食材なんですね!

小麦が中国に伝わったのは唐の時代で、西暦618年ぐらい、今から約1400年前ですね。
中国でも小麦粉はいろんな料理に使われるようになりました。

代表的なのが餃子やシュウマイなどで、今でも中華料理の代表になってますよね。
(ラーメン好きな人は餃子が好きな人も多いかも!)

もちろん、小麦粉を長く伸ばして麺状にする技術も昔からありました。

小麦粉を手で伸ばして麺にする方法を「手延式」と言い、中国ではこの手延式麺のことを「拉麺」と呼びます。

これが、今の「ラーメン」の語源になったとも言われていますね!

日本でラーメンが普及しなかった理由とは?

さて、中国の麺料理が日本に伝わったのは奈良時代から平安時代と言われています。

しかし、この頃に伝わった麺料理はソーメンやうどんがメインで、ラーメンは日本の食べ物としては主流ではなかったそうです。

その理由は、ラーメンのスープ

中世の日本では、日本には仏教の教えから肉食はタブーの一つでした。

中国のラーメンは鶏ガラや豚骨でダシを取っているので、その影響もあってラーメンは普及しなかったんですね。

しかし時代が進むにつれて、徐々に肉食も解禁されていき、ラーメンも人々の口に入るようになっていったんです。

ラーメンと肉食に関係が深いというのも面白いですよね!

日本で始めてラーメンを食べたのはあの人!

ちなみに、日本で始めて中国のラーメンを食べた人は誰だか知っていますか?

それは、なんとあの茨城が誇る有名人の水戸黄門さま

水戸黄門こと水戸光圀公は、江戸時代に儒学という中国の学問を学んでいました。
その儒学の先生である朱舜水という人から、中国流のラーメンをごちそうになったそうです。

この時のラーメンはレンコン粉で麺ができていたり、五辛と呼ばれる薬味で味付けしたりと、今のラーメンとは一味違ったものだったそう。

茨城では、この水戸黄門さまが食べたラーメンを再現して提供している「水戸藩ラーメン」のお店もあります!

詳しくはこちらでご紹介しているので、興味がある方はチェックしてみてください♪

日本でラーメンが本格的に食べられるようになったのは、肉食が解禁された明治時代からだったそうです。

日本のラーメンの発祥「来々軒」

当時の日本でラーメンが食べられる場所と言えば南京街
今で言う中華街で、横浜や長崎が有名ですね。

当時のラーメンは「南京そば」「シナそば」と言われていました。
「中国風のそば」という認識だったんですね。

(今でもご年配の方はラーメンのことを「シナそば」と呼んだりするかも?)

そんな風に中華料理の一つとして受け入れられていったラーメンですが、それが日本風の「ラーメン」に変わる大きな転換点となったのが、1910年に東京の浅草で開店した「来々軒」というお店だと言われています。

こちらは日本人の尾崎さんという方が開いたお店で、中華料理をみんなに安く食べてもらえるような大衆店を目指して来々軒を開店したそうです。

シナそばも来々軒の人気メニュー。

豚骨・鶏ガラ・野菜でダシをとった醤油ベースのスープに細い縮れ麺、具はメンマにねぎにチャーシューと、今でいう醤油ラーメンの基本形がここで生まれたと言われています。

札幌の有名店「竹屋食堂」

もちろん、日本にラーメンが根付くきっかけになったお店は東京だけではありません。

有名なのが、1922年に札幌の北海道大学前にオープンした竹屋食堂さん。

こちらも日本人の大久さんという方が店主さんで、開店した当時は親子丼など普通のメニューを出す定食屋さんでした。

しかし北海道大学に通っていた中国人の留学生の方が、中国人のコックさんを紹介し、その影響で竹屋食堂も中華料理専門店としてリニューアルしたそうです。

はじめに出していた麺料理は、「肉絲麺」と呼ばれる豚肉の入った麺料理だったそうですが、これは中国人留学生には人気だったものの、日本人にはあまり受け入れられなかったそう。

そこで「日本人の口に合う中華風麺料理を」と考えた結果、醤油ベースでチャーシューやメンマがトッピングされた、現在の醤油ラーメン風の料理ができたそうです。

こちらはすぐに評判になり、北海道でもラーメンが根付くことになりました。

今でも札幌は味噌ラーメンで有名な街ですよね♪

本場中国の味そのままではなく、日本人に合わせた味付けに変えて受け入れられたというところが印象的ですね。

屋台から始まった喜多方ラーメン

もう一つ、日本のラーメンを語る上で外せないのが喜多方ラーメン
福島の喜多方は今でもラーメンで有名な町で、ご当地ラーメンの代名詞的存在ですよね。

喜多方にラーメンを根付かせた立役者が、中国出身の藩欽星さん

1926年に日本にやってきた藩さんは、故郷中国の麺料理を食べてもらおうと、リアカーを引いて屋台でラーメン屋さんを始めました。

古くからの伝統ある「屋台のラーメン屋さん」スタイルはここから生まれたんですね!

喜多方ラーメンの特徴は、醤油味のスープに煮豚、刻んだネギとナルト。
これは藩さんが屋台で売っていたラーメンから変わらない構成だそうです。

インスタントラーメンの歴史

ラーメンの歴史を語る上で、もう一つ外せないのがインスタントラーメン
お店で食べる本格的なラーメンもいいですが、お手軽に3分で食べられるインスタントラーメンも魅力的ですよね♪

インスタントラーメンの発祥は1958年、大阪の日清食品が売り出した「チキンラーメン」
今でもスーパーに行けば定番商品として売られている、インスタント麺の代表例ですね。

当時は戦後で食べ物も少なく、「手軽に食べられるラーメンを」ということで日清食品の創業者・安藤百福さんが開発したチキンラーメン。

1971年にはカップに入ってお湯を注ぐとそのまま食べられるカップヌードルも販売。
現在では、日清以外の様々なメーカーがいろいろなインスタントラーメンを販売しています。

生麺のような本格的な食感を味わえるものや、お店顔負けの濃厚なスープを楽しめるものまで様々なインスタントラーメンがありますよね♪

まとめ

こうしてみると、日本のラーメンは中国から伝わり、日本人好みにアレンジされて根付いていったという歴史がわかりますね。

ラーメンはもともと中華料理ですが、今や日本食と言っていいほどの独自の進化を遂げています。

歴史を知ると、ラーメンを食べるときも「いろいろな人の努力や工夫でラーメンが受け継がれていったんだなあ」と感じて、美味しさもひとしおかも?

ぜひ麺屋黒源のラーメンを美味しく味わっていただければ嬉しいです♪