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名作ラーメン映画『タンポポ』を茨城のラーメン屋が語る! あらすじと魅力を紹介

2023.05.02

こんにちは! 茨城県稲敷郡阿見町で営業中のラーメン店「麺屋黒源」です。

今日は『タンポポ』というラーメン屋さんが主役の名作映画についてご紹介したいと思います。

■この記事を読むとわかること■
・映画『タンポポ』のあらすじ
・『タンポポ』に登場するラーメンのシーン
・『タンポポ』の結末と見どころ

映画が好きな人はもちろん、ラーメン好きな人にはぜひ見てもらいたい「ラーメンを食べたくなる映画」ですよ!

『タンポポ』のあらすじ

『タンポポ』は1985年に公開された日本の映画。
まずは序盤のあらすじを簡単にご紹介します。

物語の主人公は、トラック運転手でラーメンに詳しいゴローという男性。
仕事仲間のガンという男性と共に雨の道をトラックで走っていますが、ふとお腹が減って、道すがらのラーメン店に立ち寄ります。

中に入ると、そこは「タンポポ」という名前の女主人が一人で切り盛りしているお店でした。

タンポポは未亡人で、店主だった亭主に先立たれ、女手一つでお店をしながら息子を育てていました。

しかし残念ながらお店は繁盛しておらず、ゴローたちが入ったときも店にはピスケンという柄の悪い男が仲間を連れてたむろしているところ。

ラーメンを注文するゴローたちでしたが、ピスケンに因縁をつけられてしまい、ゴローはケンカを買いますが、仲間たちに囲まれてボロボロに負けてしまうことに。

翌日、タンポポに介抱されたゴローは「私のラーメン、どうでした?」と聞かれ、正直に「美味しくない」と答えます。

しかしお店を立て直したいタンポポは「私を弟子にしてください!」とお願いし、ゴローとタンポポによるラーメンづくりの物語が始まる…というお話です。

注目のラーメン要素!

あらすじを聞いただけでも面白そうなお話ですが、こちらの映画の魅力は何と言ってもラーメンがたくさん出てくるところ!

ラーメンを美味しそうに食べるシーンが多いので、見ていると必ずラーメンが食べたくなっちゃうと思います♪

もちろんそれだけでなく、ラーメン好きにはハッとさせられるようなセリフやシーンが多いのもポイント。

例えば映画の冒頭、ゴローとガンがトラックを走らせているシーンで、ガンはとある本をゴローに読んで聞かせます。

それは主人公の青年が「ラーメン歴40年」である老人に「ラーメンの正しい食べ方」を教わるという不思議なお話で…

「最初はスープからでしょうか、麺からでしょうか?」と尋ねる青年。

これはラーメン好きなら誰もが気になってしまうところですよね!
しかし、これに対して老人は「最初は、まずラーメンをよく見ます」と思わぬ答えで返します。

「まずはラーメンの全容を、湯気を吸い込みながらしみじみ観察してください」と語る老人。

確かに、ラーメンを目の前にするとすぐに食べたくなってしまいますが、美味しいラーメンは麺やスープ、具材のバランスなどを眺めるだけでも楽しめてしまいますよね。

(と言っても、眺めすぎて麺が伸びてしまうともったいないですが…。)

それからも「箸の先でラーメンの表面をなでてあげてください」「ラーメンに対する愛情の表現です」と独特のこだわりを語る老人。

このシーンはあくまで「ガンが読んでいる本」の再現なのですが、とにかく2人が食べるラーメンが美味しそう!

見ていると、誰しも「自分の流儀でラーメンを食べたい!」と思ってしまうこと間違いなしだと思います。

映画でも、ガンのこの話を聞いたゴローはラーメンを食べたくなり、タンポポと出会うことになるので、ラーメン映画の始まり方としては最高だと思いました♪

他にもラーメン好きには見逃せないシーンがたくさん。

例えばタンポポが作ったラーメンを食べるガンを見たゴローは「作りたてのラーメンをすぐにゴクゴク飲めるのはおかしいと思わないか?」とタンポポに指摘します。

そう、タンポポのラーメンはお湯の温度が低く、しっかり茹で上げられていないという問題があったのでした。

「熱くないラーメンはラーメンじゃない!」というゴローのセリフはまさに名言!

ラーメンを食べる度に思い出してしまいそうですね。

印象的なのは、ピスケンが教える「ネギラーメン」のレシピ。
ネギとチャーシューを細切りにしてラーメンに載せ、ごま油をひとたらし。

これだけのシンプルな料理なのですが、これがとっても美味しそう
見ている方も作りたくなること間違いなしですね。

ドラマ部分も見逃せない!

ラーメン部分はもちろん、映画としても見どころはたくさん!
お店を立て直すため、ゴローのアドバイスを真剣にこなすタンポポの姿が印象的で心に残ります。

「ラーメン作りは体力からだ!」と走り込みまでするのは面白いですが、真面目にランニングするタンポポが面白いですね。

ゴローの他にも、いろいろな協力者がどんどん増えていくのも面白いところ。

ラーメンに詳しい老人や、人助けをしたことから思わぬ形で協力してもらう関西弁の男性など、徐々にタンポポのオリジナルラーメンが出来上がっていく様子が見た目にもわかりやすいです。

ピスケンの立ち位置が徐々に変わっていく点にも注目。

あらすじでご紹介した通り、序盤はゴローと喧嘩する悪役に見えるのですが、実はピスケンはタンポポの幼馴染で、タンポポに好意を寄せています。

ピスケンと再び殴り合いをした結果、友情が芽生えてお店の立て直しに協力してくれる展開は王道で良いですよね♪

仲良くなってからは頼りになるすっごくいい人なんですよね。

そして何より、ゴローとタンポポの関係がドラマの中心になっています。

未亡人のタンポポと、離婚して今は独り身のゴロー。
最初は師弟のような関係ですが、徐々に親しくなっていき、一緒に食事をする仲にまでなります。

お互いに意識はしあっているのですが、最終的に一緒になるわけではないのがまたしみじみとした終わり方。

見事お店が繁盛するようになったのを見届けたゴローは、そのままトラックに乗ってお店を去ってしまいます。

人によっては「そんな~!」と思ってしまうかもしれませんが、これもまたハードボイルドな感じで、好きな人にはたまらないと思います。

お互いを意識しながらも口には出さない、そんな大人の関係を味わうことができる映画です。

まとめ

名作ラーメン映画『タンポポ』についてご紹介しました。

映画として面白いのはもちろん、ラーメンも美味しそうでラーメン好きな方ならぜひ見てもらいたい一本!1985年の作品ですが、今見てもしっかり楽しめる一本だと思います。

ただ一つだけご注意してもらいたいのは、こちらの映画、本筋とは関係ないシーンが突然入ってくることが多いんです!

ゴローやタンポポの話とは無関係なエピソードがたびたび挟まるので、最初に見た方は驚くかもしれません。その部分を楽しむのもいいですし、気にせず飛ばしてしまうのもいいと思います。

(いろんな要素が入っているという点ではラーメンのような映画と言えるかも?)

名作映画『タンポポ』を楽しんだら、ぜひ麺屋黒源のラーメもお楽しみください♪